【015号】「シニア」の広告表現について
こんにちは。クリエイティブチームの中田です。
今回は「シニア」の広告表現について書いていきます。
まず、一口に「シニア」といいますが、それは具体的に
何歳くらいの人々をイメージしているのでしょう?
「シニア」の定義といえば
■WHO(世界保健機関)……「65歳以上」
■東京しごとセンター ……「55歳以上」
など、その対象年齢はまちまちで明確に限定されてはいません。
また、広告業界では
「40代・50代・60代」を【ミドルシニア】と呼んだり、
「40代・50代」を【ミドルエイジ】、「50代・60代」を【エルダー】と呼んだりします。
では仮に、WHOの「65歳以上の人々」を想定した時、
65歳以上は全て同じ「シニア」という枠で捉えて良いのでしょうか?
65歳と95歳の人の健康状態や嗜好が同じであるとはいえません。
また、10年前の「65歳」と現在の「65歳」では社会適応力の違いがあります。
個人差があるとはいえ、知人の70歳の人はスマホ決済で買い物をしてスポーツジムに通い、
88歳の人は動画投稿をしてSNSを楽しんでいます。
一方で85歳の人は要介護5で介護老人保健施設に入所しています。
「シニア」という大雑把な枠で対象者を捉えようとするのはいささか乱暴であるといえます。
では、広告制作時において「ターゲットはシニア層」とクライアントから指示をされた時、
どのような点に注意していけばよいのでしょう。
それは、例えば「50代~60代」「70代」といった年齢層や、
家族構成、居住地域、年収などを踏まえたペルソナなど
より具体的なイメージエンドユーザーを確認することで、表現するべき注意点が見えてきます。
「高齢化社会」「人生100年時代」などとうたわれる現代。
55歳の人はまだまだ社会人として活躍中です。
自身が「シニア」の枠に入っているなど自覚が無い人も多いはず。
そんな人に「シニア」というワードを使って広告を展開してもいっこうに届きません。
「シニア」というワードは慎重に扱うべきであると考えます。
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